Debian noroot 環境で日本語環境を導入する (2)
灼熱の日々。循環器系にも神経系にも過酷な負担がかかる毎日。 来週は、遠隔地で休息を取ろう。
追記 (2016/03/19)
本稿において、 nano に関する内容を Qiita の投稿に追記しました。なお、今後は Debian noroot 環境への日本語環境の導入に関する投稿の加筆訂正及び更新は、"Debian noroot 環境で日本語環境を導入する - Qiita" に纏めることとしますので、どうか宜しく御願い致します。
追記 (2016/03/10)
nano のメッセージの日本語化の手法について、全面的に修正を行いました。
はじめに
ここでは、先日の投稿の続きとして、 libreoffice 日本語化パッケージの導入と nano 等の幾つかのソフトウェアのメッセージの日本語化について述べます。
libreoffice 日本語化パッケージの導入
オフィススィートである LibreOffice の画面表示の日本語化パッケージは以下の手法で導入できます。
# apt-get install libreoffice-help-ja
上記の手法により、以下の画像のように LibreOffice の画面表示のメッセージが日本語化されました。
nano のメッセージを日本語化する
テキストエディタである nano は、画面表示のメッセージが日本語化されていない為に若干不便です。
そこで、 l10n に対応した nano をディレクトリ /usr/local
以下に手動での build によってインストールすることにより、 nano の画面表示のメッセージを日本語化します。
まずは、 nano を build するために必要なパッケージである build-essential, libncursesw5-dev, pkg-config, xstow
を apt-get
コマンドによりインストールします。
# apt-get update # apt-get install build-essential libncursesw5-dev pkg-config xstow
次に、 nano のソースコードを取得し、適当なディレクトリに展開します。
# wget http://www.nano-editor.org/dist/v2.5/nano-2.5.3.tar.gz # tar -zxvf nano-2.5.3.tar.gz # cd nano-2.5.3
そして、下記の通りに ./configure, make, make install
に基づくソースコードの build を行います。
ここで、後述するように手動で build した nano を xstow アプリケーションを用いて管理する為に、 ./configure
スクリプトにおいて、オプション --prefix
で指定するディレクトリは、 /usr/local/opt/nano-2.5.3
等にしておき、 nano の実体のインストール先を一箇所のディレクトリに纏めておくようにします。
また、オプション --localedir
で明示的にメッセージカタログのインストール先を明示し、オプション --enable-nls
で nano の l10n 化を可能にします。
# ./configure --disable-debug --disable-dependency-tracking --prefix=/usr/local/opt/nano-2.5.3 --sysconfdir=/usr/local/opt/nano-2.5.3/etc --localedir=/usr/local/opt/nano-2.5.3/share/locale --enable-color --enable-extra --enable-multibuffer --enable-nanorc --enable-nls --enable-utf8 # make # make install
続いて、以下の通りにパッケージ管理アプリケーションである xstow を用いて、ディレクトリ /usr/local/opt/nano-2.5.3
にインストールされた nano の実体をディレクトリ /usr/local
以下にリンクします。
# cd /usr/local/opt # xstow -v -f ./nano-2.5.3
ここで、コマンドラインから which nano
と入力して正常に l10n に対応した nano がインストールされていることを確認します。
# which nano /usr/local/bin/nano #
最後に、 nano の設定ファイルである /etc/nanorc
をホームディレクトリの直下にコピーします。
$ cp -p /etc/nanorc $HOME/.nanorc
上記の手法により、以下の画像のように nano の表示画面のメッセージが日本語化されました。