Z.OOL.ネット信託統治領 はてな諸島

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野良 build 版 Rockbox for Sansa e200

# はてなには随分前から、はてな認証 API を使ったアプリケーション開発のために
# アカウントを取得していたのですが、はてなダイアリーには初めて記事を書きます。
# どうかよろしくお願いします。

さて、僕は現在自分が所有している Sansa e280Rockbox を導入しています。ここでは、僕が独自に patch を当てたり修正を加えた Rockbox を Sansa e200 用に build したものを公開していきたいと思います。

注意点

  • ここに置いた各種 build 済みファイルは、当方の手元の環境で確認を行っていますが、未保証です。インストールに関しては自己責任で御願い致します。
  • ここに置いた各種 build 済みファイルはいずれも Sansa e200 のみに対応しています。これ以降で行う説明等についても、インストール先の DAP が Sansa e200 であることを前提として話を進めていきます。
  • 他の機種については、オリジナルソースからの差分ファイルをダウンロードした上で自力で build すれば恐らく作成可能かと思いますが、当方の手元の環境では未確認です ;-)。どうか御了承下さい。

ダウンロード

野良 build 版 Rockbox は以下よりダウンロードできます。 Rockbox の実際のインストール方法については "http://www.densan.net/~neko/wiki-e200/index.php?Rockbox" 等を参照してください。

なお、"オリジナルからの変更点" 及び "Rockbox を増設 microSD 上に置いて動作させるには" の項目で後述しますが、 rockbox.mi4 を増設 microSD 上に置いて起動したい場合は、以下に置いた build 済みファイルを使用して下さい。

オリジナルからの変更点

以下に、オリジナルの Rockbox から、独自に patch を適用したり修正を加えた点についてまとめておきます。いろいろと手を加えているので、もしかしたら抜けがあるかもしれません。

  • 以下の patch を適用しました。
  • apps/lang/japanese.lang の日本語を若干修正しました。
  • ステータスバー等の各種時刻表示を 30 時間制に対応させました。
    • ラジオの深夜放送の御供に是非どうぞ。
    • [システム設定] → [日付と時刻] → [時間の形式] で選択できます。
  • 日付と時刻の設定の操作方法を若干変更しました。
    • SELECT キーで時刻を設定し、 PREV キーで設定画面から抜けます。
  • USB に関する設定が、システム設定のメニューから変更できるようにしました。
    • USB ケーブル接続時に、オリジナルファームウェアを起動するか、 Rockbox のマスストレージドライバを使用するか、充電のみを行うかを選択できるようにしました。
      • [システム設定] → [USB 設定] → [ドライバ設定] で選択できます。
    • USB のデータ転送に USB 1.1 か USB 2.0 のどちらを使用するかを選択できるようにしました。
      • [システム設定] → [USB 設定] → [速度設定] で選択できます。
  • タイマー録音機能の拡張として予約録音機能に対応させるなど、録音機能を強化しました。
    • 予約録音について、以下の設定を最大8件まで登録できるようにしました。
      • 録音開始曜日、録音開始時刻及び録音終了時刻
      • ラジオを録音する場合は受信ラジオ局の周波数
      • 録音ファイルの保存先となるディレクトリ名とファイル名のフォーマット
      • 録音ファイルが mp3 形式の場合は、録音ファイルに書き込む ID3 タグ (曲名、アルバム名、アーティスト名) のフォーマット
        • ディレクトリ名、ファイル名及び ID3 タグのフォーマットの指定には strftime の書式が使用可能です。
    • 予約録音の設定は [設定] → [録音の設定] → [録音タイマー設定] → [録音時刻の設定] から行うことができます。
    • 録音開始時刻等を何件か登録した後、録音画面を表示させて、再生ボタンを押すと、録音タイマーが動作し、登録した時刻に録音が行われるようになります。
  • ブートローダーにおいて、増設 microSD に置かれたファームウェアをブート出来るようにしました。
    • ブートローダーは、以下に示すファイルを順番に探しに行き、最初に見つかったファイルをファームウェアとしてブートします。
      • //.rockbox/rockbox.mi4 (即ち、増設 microSD 上に置かれた /.rockbox/rockbox.mi4)
      • /.rockbox/rockbox.mi4 (本体メモリ上に置かれた /.rockbox/rockbox.mi4)
      • /rockbox.mi4 (本体メモリ上に置かれた /rockbox.mi4)

Rockbox を増設 microSD 上に置いて動作させるには

前述の通り、野良 build 版 Rockboxブートローダーでは、増設 microSD 上に置かれたファームウェアをブート出来るように修正を加えています。
/.rockbox 以下に置かれている Rockbox を増設 microSD 上に置くことが出来るようになると、

  1. 最初の Rockbox のインストール時に、1回だけブートローダーを本体メモリに書き込む以外は、本体メモリの書き換えを行わなくて済む。
  2. Rockbox による本体メモリの書き換え回数を極限まで減らせるので、本体メモリの寿命を伸ばせる。
  3. Sansa e200 の本体メモリに書き換え寿命が来ると、Sansa e200 の場合では本体全取換えを伴う修理に出す必要が出てきて非常に面倒だが、増設 microSD の場合は寿命が来ても、メモリを交換するだけで済む。
  4. Sansa e200 の本体メモリに書き換え寿命が来ても、ブートローダーの読み込みに問題が無ければ、そのまま増設 microSD 上で Rockbox を動かすことができる。

と、いろいろと良いことがあるかもしれません。

ここで、 Rockbox を増設 microSD 上から起動させるには、以下のようにします。

  1. 野良 build 版 Rockbox のブートローダーを本体メモリに書き込む。
  2. 増設 microSD からのブートに対応した野良 build 版 Rockbox の zip ファイルを増設 microSD のルートディレクトリに展開する。
    • フォントも必要な場合はこのファイルを使用します。
    • 野良 build 版 Rockbox をソースから build する場合は以下のようにします。
      1. Rockbox の build で ../tools/configureMakefile 等を生成するときに、オプションに --rbdir='/.rockbox' を指定する。
        • この時、 Rockbox の build には、野良 build 版 Rockboxソースコードを使用します。野良 build 版 Rockbox では、増設 microSD 上での起動に対応した zip ファイルを生成するための修正を行っています。
      2. make && make zip で zip ファイルを生成する。
  3. Rockbox の起動後に、録音ファイルの保存先やプレイリストの保存先等の設定を増設 microSD 上に指定する。

これで、 Rockbox を増設 microSD 上から起動させることが出来るようになります。

追記 (2009/02/27)

若干文章がおかしい部分を修正しました。